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ダイヤモンドのシェープ
大部分の人々にとって、古典的なダイヤモンドの姿は、きらきらと透明に輝くラウンドシェープに形作られた宝石で、万華鏡のようにまばゆいカット面が目を魅了するものです。
実際にそういうものもありますが、これが当てはまらない場合もあります。ダイヤモンドは様々なサイズと形状を持つ天然の結晶で、数百万年もの時間をかけて地殻の中で形成されたものです。伝統的なラウンド・ブリリアント・カットされたダイヤモンドはあらゆるものの中で最も人気のあるダイヤモンド・シェープですが、これがすべてではありません。
ダイヤモンド・カット職人の技術で、これらの結晶は目を見張る多彩な美しさを持った宝石に形作られます。カット職人の技能によって、最も傷が少なく最大限に大きな輝かしいダイヤモンドが生み出されるのです。

◆ラウンド・ブリリアント・ダイヤモンド(記号:RD)

このシェープは、すべてのダイヤモンドのシェープの中で1つの基準となっており、現在販売されているダイヤモンドの75%以上を占めています。クラウン(トップ)、ガードル(最も広い面)、パビリオン(ベース)に分けて施されたこの58面のカットは、最大限のきらめきと輝きを与えるために正確な計算を通じて調整されたものです。

◆ オーバル・ダイヤモンド

均等で完全に対称的なデザインで、手が小さいか、または指が短い女性に人気があります。この長く延びた形状は、手の指を長く美しく見せる効果があります。

◆ マーキーズ・ダイヤモンド

先端が尖り、全体が長く延びた形状で、ポンパドール夫人(Marquise de Pompadour)の魅力的な微笑に刺激を受け、それにふさわしいダイヤモンドを求めたフランスの太陽王ルイ14世から製作を依頼されて誕生したものです。ソリテール(1粒石)として用いるか、またはより小さなダイヤモンドを添えることで豪華になります。

◆ ペア・シェープ・ダイヤモンド

オーバルとマーキーズの長所を組み合わせたハイブリッド・カットの1つで、輝く涙珠状をしたものがほとんどです。これはまた、小さな手や平均的な長さの指を最も効果的に補うデザインを持つダイヤモンドのカテゴリーにも属します。特にペンダントやイヤリングに使うと美しく映えます。

◆ ハート・シェープ・ダイヤモンド

ロマンスの究極のシンボルと言えるもので、本質的には上部に切り込みがあるペア・シェープ・ダイヤモンドです。カット職人の技能によってこのカットの美しさが決まります。バランスのとれた形状を持ち、輪郭がはっきりとした石を選んでください。

◆ エメラルド・カット・ダイヤモンド

コーナー部分がカットされた長方形の形状です。これは、同心状の広く平らな面が階段に似ていることから、ステップ・カットとも呼ばれます。このカットの場合はインクルージョンとカラーの悪さがいっそう目立ってしまうため、クラリティとカラーがより優れた石を慎重に選ぶようにしてください。

◆ プリンセス・カット・ダイヤモンド

正方形または長方形のカットで、多くの輝く面が施されています。これは比較的新しいカットで、しばしばソリテールの婚約指輪に用いられます。指の長い手に適しており、よく三角形の石を脇に沿えて飾ります。このカットはそのデザインのゆえに、輝きを最大限に引き出すようにダイヤモンドの深さを得るためにはより多くの重量を必要とします。したがって70%〜78%という深さ比率も普通に見受けられます。

◆ トリリアント・ダイヤモンド

これは、脆くきらびやかな楔形の形状です。最初はアムステルダムで開発されたものですが、それぞれの正確なデザインは個々のダイヤモンドの自然の特性とカット職人の個人的な好みによって異なります。伝統的な尖ったコーナーを持つか、またはより丸い三角形の形状で、クラウンに25面、パビリオンに19面のカットが施され、洗練されたガードルを備えています。これはまさに冒険心のある人に向いています。

◆ レイディアント・カット・ダイヤモンド

エメラルド・シェープ・ダイヤモンドの優雅さとラウンド・ダイヤモンドの輝きを併せ持つ正方形または長方形の形状で、70面のカットが色の屈折効果を最大限に発揮させます。このカットもそのデザインのゆえに、輝きを最大限に引き出すようにダイヤモンドの深さを得るためにはより多くの重量を必要とします。70%〜78%という深さ比率も普通に見受けられます。

◆ クッション・カット・ダイヤモンド

オールドマイン・カット(19世紀から20世紀初頭にかけて一般的だった大きな面を持つ深いカット)と現代のオーバル・カットを混ぜ合わせたように見えるアンティーク・スタイルのカットです。
ダイヤモンドを形作るシェープは、既に花、クローバーの葉、三角形、凧などこの他にも想像力に富む革新的なスタイルが生み出されていますが、これらにとどまるわけではありません。一部のカットは標準的なシェープの派生形で、他にはダイヤモンドの天然の結晶に由来するものがあり、あるいは革命的な新しい高みに至るようなシェープもあります。個性と好みがファッションを決定し、宝石カット職人の魔法によってそれぞれの石が2つとない美術品へと変容していくのです。
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(1)ダイヤモンドのカット(Cut)について

第一に、ダイヤモンドの「カット」を「シェープ」と混同しないようにしてください。シェープとは、ダイヤモンドの全体的な外観(ラウンド、エメラルド、ペア等)を指します。ダイヤモンドを扱う宝石商によって(またはダイヤモンドの証明書の中で)「カット」という言葉が使われる場合、それはダイヤモンドの形状ではなく、その光を反射する特性を意味しています(少なくともそうあるべきものですが、一部の「宝石商」が「カット」と「シェープ」の違いを知らないように思える例もあります)。

ダイヤモンドのカットはおそらくいわゆる4つのCのうち最も重要なものであるため、この品質がダイヤモンドの特性と価値にどのように影響するかを理解することが大切です。優れたカットは、あたかもダイヤモンドの深奥から放出されるようにも見えるような輝きをダイヤモンドに与えます。ダイヤモンド・カットの角度と仕上げ表面は光を操る能力を決定し、それによって輝きが生まれます。
ダイヤモンドが適切にカットされている場合には、光がテーブル面から進入し、パビリオンに達してから反対方向に反射し、その後さらに反射して再びテーブル面を通ってダイヤモンドから観察者の目に返ってきます。この光が私たちの言う輝きで、ダイヤモンドを魅力的なものにするのがこの閃光のようなきらびやかな効果なのです。
カットが良くないダイヤモンドでは、テーブル面から入った光がファセットに達し、次に再び目に反射して返ってくる代わりに、ダイヤモンドの側面や底部から「漏れて」しまいます。反射して目に返ってくる光が少なくなれば、輝きはより小さなものになります。
優れたプロポーションが鍵
最も適切にカットされたダイヤモンドは、輝きを最大限に引き出すように計算された一連の定型的な手法に従ったものだという点について、大半の宝石鑑定士は同意することでしょう。この定型的な手法は、ダイヤモンドのプロポーション、特に最も重要な深さと直径との比率と、テーブルの直径とダイヤモンドの直径との比率に反映されています。

しかし、時々しかダイヤモンドを目にしない人にとって、アイディール(理想的な)カットとプア(好ましくない)カットとのプロポーションの違いを区別することは難しい作業になります。
カットは非常に重要であるため、消費者が特定のダイヤモンドのカットを識別する際に助けとなるいくつかのグレード評価手法が考案されています。一般にグレードは以下のカテゴリーに分けられます。
アイディール
プレミアム
ベリー・グッド
グッド
フェア及びプア
どのグレードのカットのものを購入すべきか?
カットのグレードの選択は、実際上は好みの問題です。最善の選択を行うためには、様々なグレードを理解する必要があります。以下に述べることは一般的な指針である点に注意してください。
アイディール・カット
このカットは輝きを最大限に引き出すことを意図したもので、通常の場合はこのカットを施してダイヤモンドのテーブル・サイズを小さくすると、分散光すなわち「閃光」もまた増えるというさらなる利点が得られます。理想的な品質のダイヤモンドは、まさにお金で買える最もすばらしいものの1つを手にしたことに喜びを感じる人のためにあるものです。このカテゴリーのグレードは、ラウンド・ダイヤモンドだけに適用されます。
エクセレント(Excellent: EX)
ラウンド・ダイヤモンドの場合、多くのプレミアム・カット・ダイヤモンドにはアイディール・カット・ダイヤモンドに等しいカットが施されますが、これらはしばしばAGSのアイディール・カットよりもわずかに低い価格で購入することが可能です。これらは最高の輝きと閃光を放つように意図されており、アイディール・カットと同様、お金で買える最もすばらしいものの1つを手にしたことに喜びを感じる人のためのものです。
ベリー・グッド(Very Good:VG)
このダイヤモンドは、入ってくる光の大部分を反射し、非常に多くの輝きを生み出します。この種のダイヤモンドの場合、より大きなダイヤモンドにするために、カット職人がダイヤモンドのプロポーションを多少犠牲にすることを選択したということになります。その結果、これらのダイヤモンドは、例えばテーブル・サイズやガードル幅の点で一部の顧客の好みからわずかに外れるものになりますが、多くの場合この範囲のダイヤモンドの要素の多くはアイディールまたはプレミアム・グレードのダイヤモンドと重なります。一般に、これらのダイヤモンドの価格はプレミアム・カットをわずかに下回ります。
グッド(Good:G)
入ってくる光の多くを反射するダイヤモンドです。プレミアム品質を持つより小さなダイヤモンドを作るために余分な部分をカットして捨ててしまう代わりに、カット職人が元々の原石から最大限の大きさのダイヤモンドを作ることを選んだため、このグレードのプロポーションは一般に好まれる範囲から外れたものになります。このカテゴリーのダイヤモンドは、品質や美しさをあまり犠牲にすることなく予算内で済ましたいと考える顧客に対するコスト効率という点で優れています。 フェア(Fair)及びプア(Poor)
フェアまたはプアのグレードに分類されるダイヤモンドは、入ってくる光のうちわずかな部分しか反射しません。通常これらのダイヤモンドは、考慮すべき他の事項よりもキャラット重量を最大限にすることを優先してカットされたものです。
(2) ダイヤモンドのクラリティ(Clarity:短縮してClarと表記します / 透明度)

ダイヤモンドのクラリティという表現は、石の表面の特徴(ブレミッシュ:傷)と石内部の特徴(インクルージョン:内包物)の存在を特定する意味で用います。
ダイヤモンドの生成に必要な信じられないほどの圧力と、完全に管理された研究所で天然ダイヤモンドが成長するわけではないという事実を考えれば、大半のダイヤモンドに傷があることも驚くにはあたりません。
基本的に、傷にはインクルージョンとブレミッシュの2つのタイプがあります。インクルージョンは内部の傷を意味し、ブレミッシュは表面の傷を意味します。しかし、以下に示すダイヤモンドのグレードにおいては、どのグレードにも「ブレミッシュ」という語が含まれない点に気付かれることでしょう。ダイヤモンドのグレードを決定する際には、すべての傷が「インクルージョン」と呼ばれるためです。
インクルージョンには、ダイヤモンドに見出される気泡や亀裂などの傷に加えて、ダイヤモンド以外の鉱物も含まれます。ブレミッシュには、引っかき傷、穴、欠けが含まれます。ブレミッシュの一部はカッティングの過程で発生します(最もよくあるのはガードル部分です)。インクルージョンやブレミッシュがほとんどないか、または全くないダイヤモンドは希少性が高いため、クラリティの点で劣るものより高く評価されます。
ダイヤモンドはクラリティによってどのようにグレード分けされるか?
ダイヤモンドは10倍のルーペを使ったクラリティによってグレード分けされます。グレードはフローレス(ブレミッシュやインクルージョンが全くないダイヤモンド)からインクルーデッド3(肉眼で見える大きく深刻なブレミッシュとインクルージョンがあるダイヤモンド)までの範囲があります。

FL(F)
フローレス:内部または外部に傷がないもので、極度に希少です。
IF
インターナリー・フローレス:内部に傷はないが、表面にいくつか傷があるもので、非常に希少です。
VVS1〜VVS2
ベリー・ベリー・スライトリー・インクルーデッド(2つのグレード)。訓練を受けた鑑定士が10倍のルーペを使って検出するのが非常に難しいわずかなインクルージョンを有するものです。
VS1〜VS2
ベリー・スライトリー・インクルーデッド(2つのグレード)。10倍のルーペでようやく見ることができるわずかなインクルージョンを有するものです。
SI1〜SI2
スライトリー・インクルーデッド(2つのグレード)。10倍のルーペで比較的容易に検出できるわずかなインクルージョンを有するものです。

I1〜I2〜I3
インクルーデッド(3つのグレード)。10倍のルーペと肉眼の両方で見ることができるインクルージョンを有するものです。これらのグレードのダイヤモンドを購入することはお勧めしません。
こうしたクラリティにおける特徴(インクルージョンとブレミッシュ)が存在することは事実上ダイヤモンドのクラリティ・グレードを低下させますが、これらはまた同時にダイヤモンドの身元証明と考えることもできます。GIAの証明書には、ダイヤモンドのインクルージョンの「プロット」、すなわち「ダイヤモンドの指紋」とでも言えるものが含まれます。ダイヤモンドは2つとして全く同じものがないため、それぞれのダイヤモンド・クラリティの特徴の個性をそのダイヤモンドの証明書に示されたプロットと比較することによって、購入しようとしているダイヤモンドがまさに実際にあなたが手にするダイヤモンドと同じものであるという証明が得られます。
どのクラリティ・グレードを選ぶべきか?
確かにフローレス・ダイヤモンドが最も希少なものですが、ダイヤモンドの魅力は必ずしもフローレスであることにのみ存在するわけではありません。
事実、「I」グレードに至るまで、ダイヤモンドのクラリティ・グレードはダイヤモンドの価値には影響しますが、拡大して見られることがない場合のダイヤモンドの外観には影響しません。
VVS及びVSグレードのダイヤモンドは、その価値の点でも外観の点でもすばらしい選択と言えるでしょう。
これらよりも低価格で(にもかかわらず依然として立派な選択と言える)ものは、鑑定士の言う「アイクリーン」ダイヤモンド、つまり肉眼ではインクルージョンが見えないダイヤモンドです。これらのダイヤモンドはSI1及びSI2グレードで、10倍のルーペ(強力な宝石拡大鏡)がない限りインクルージョンは見えません。
I1〜I3についてはどうでしょうか。おそらく、「ダイヤモンドを見れば傷が見えるもの」と定義されるダイヤモンド・グレードだと言えば、それ以上の説明は不要でしょう。
もう少し詳しく言えば、I1〜I3の場合「目に見える」ダイヤモンドの傷が誰にとっても「同じように」見えるわけではありません。例えば、糊付けした白のワイシャツにマスタードを垂らした場合と、明るい色のハワイアン・シャツにマスタードを垂らした場合との違いを考えてみてください(実際のところ、マスタードを垂らした経験はさほど多くないでしょうが)。明らかに、前者の方が後者よりもはるかに目立ちます。目に見えるダイヤモンドの傷もそうしたものなのです。
しかし、I1〜I3のダイヤモンドを購入しようとする場合(これはあまりお勧めしません)、経験豊かな宝石商だけではなく、一般人であっても一部の人はそれを見てすぐに傷がわかるということを知っておいてください。
(3) ダイヤモンドのカラー(Color:短縮してColと表記します)について
宝石商がダイヤモンドのカラーについて話をする場合、通常はホワイト・ダイヤモンドに色が付いているかどうかが問題となります。色はダイヤモンドの組成によるもので、時間経過によって変化することはありません。

透明な窓のように無色のダイヤモンドは色のあるダイヤモンドよりも多くの光を通すため、無色のダイヤモンドの方がより多くのきらめきと閃光を放ちます。ダイヤモンドの生成プロセスによって、真に無色のダイヤモンドは非常に少なく、稀です。そのため、ダイヤモンドのカラーがホワイトに近いほど、その価値は高くなります。

[注:ファンシー・カラー・ダイヤモンドにはこのルールは当てはまりません。これらのダイヤモンドは非常に希少かつ高価で、青から緑、明るい黄色までの様々な発色があります。これらは実際上その色のためにいっそう価値が高くなります。]
「ホワイト・カラーの程度」すなわち無色の程度をグレード分けするために、大半の宝石商はGIAのプロフェッショナル・カラー・スケールを基準としています。これは最も高いランクのDを無色として、アルファベット順にわずかずつより多くの黄色または茶色が混ざっている石がグレード付けされています。このカラー・スケールはZまで続いています。
どのカラー・グレードを選ぶべきか? DからFまでグレード付けされたダイヤモンドは、その希少性のゆえに当然最も価値があり、また望ましいものです。このようなダイヤモンドは誰の目にも魅力的に映ります。しかし、無色と比較してわずかに劣るグレードであっても、非常に魅力的なダイヤモンドを手にすることができます。GからIにグレード付けされるダイヤモンドは、訓練を受けていない人にとってはほとんど無色に見えるものです。

(4) キャラット重量(Ct)
キャラットは計量の単位で、ダイヤモンドの重量を計る際に用いられる単位です。1キャラットは200ミリグラムすなわち0.2グラムです。



「キャラット」という語は、かつて古代人が天秤の錘に用いていたキャロブの種に由来するものです。この小さな種はその形と重さが非常に均一であるため、現在の高精度の計器を使って測定した場合でさえも、これらの種の違いは1,000分の3程度しかありません。
[注:「キャラット(carat)重量」を金の純度を測るための「カラット(karat)」と混同しないでください。]
ダイヤモンドを形成するプロセスは非常に稀な環境においてのみ起こるもので、通常必要とされる天然の原料も少量しか見出されないものです。これはすなわち、小さなダイヤモンドに比べてより大きなダイヤモンドが発見される例がさらに少なくなることを意味します。したがって、大きなダイヤモンドは希少であり、キャラットあたりの価値も大きくなります。そのため、ダイヤモンドの価格はそのサイズに対して指数関数的に高くなります。
どのサイズのダイヤモンドを購入すべきか?
まず、予算を決めます。ダイヤモンドの婚約指輪を購入する際の1つの一般的な慣行は、「給与2か月分の価格」のものを求めることです。これは1つの指針にすぎず、石に刻まれているものではありません。最初に考慮すべきことは、ダイヤモンド業者や宝石商(彼らはこの点において先入観がないわけではありません)の言うことではなく、あなたが余裕を持って購入できるものを選ぶということです。
キャラット・サイズの決定は、事実上大きさと品質のバランスを図る作業です。より大きな宝飾品が欲しいけれども予算内に納めたいという場合でも、カラーとクラリティの点でわずかに低いグレードに分けられるものを選ぶことで、すばらしい宝石品質でより大きなダイヤモンドを見出すことができます。
細い指は小さなダイヤモンドも大きく見せるということを覚えておいてください。指が細い人なら、1キャラットのダイヤモンドもそれに比例してより大きく見えるでしょうし、さらに大きい石は驚くほど大きく見えるでしょう。
ダイヤモンドを取り付ける台座がどのようなものになるかを考えてください。あなたが選ぶ台座がダイヤモンドのキャラット重量にぴったり合うようにしなければなりません。
ダイヤモンドのフローレッセンス(蛍光性)
ダイヤモンドのフローレッセンスとは、(ブラックライトなどの)紫外線を受けた時にダイヤモンドがやわらかな色の蛍光を放つ性質を持つことを意味します。
フローレッセンスの詳細について説明する前に一般論として言わせていただきたい点は、単純にフローレッセンスの有無によってダイヤモンドを購入するかしないかを決定すべきではないということです。 ! ダイヤモンドのフローレッセンスはダイヤモンド業界内で盛んに議論されていることですが、1997年のGIAの調査では、フローレッセンスによってダイヤモンドの外観はほとんど影響を受けないことが示されています。
ダイヤモンド業界では、ダイヤモンド内のフローレッセンスの存在(ダイヤモンドに含まれる天然鉱物の特性によって生じる)に関して多くの議論が行われており、これがダイヤモンドの価格設定に影響する例も多く見られます。
無色グレード(D-E-F)または無色に近いグレード(G-H-I-J)のダイヤモンドがフローレッセンスを持つ場合よりも、淡黄色グレード(K-L-M)でフローレッセンスを持つものの方が、価格が高くなるのが普通です。
1)フローレッセンスは無色のダイヤモンドに対してはマイナスの効果を与え(曇って見えるようになる)、2)わずかに黄色味がかったダイヤモンドに対してはプラスの効果を与える(青色のフローレッセンスが黄色を相殺し、ダイヤモンドをより白く見せる)というのが「通説」でした。
ダイヤモンドの外観に対するフローレッセンスの影響に関する1997年のGIAの調査結果を踏まえれば、上記の通説の1)は誤りで、2)についてもさほどの効果は認められないように思われます。
GIAの調査では、様々な程度のフローレッセンスが観察される同じグレードのダイヤモンドが複数個選抜され、調査参加者によってそれらに関するコメントが作成されました。調査参加者には、訓練を受けたダイヤモンド・グレーダー、専門業者(例えば宝石商)、平均的な観察者(宝石を購入する一般人)が含まれていました。
以下にこの調査の要約コメントをご紹介します。
「宝石を購入する一般人の代表として参加した平均的な観察者にとって、フローレッセンスの体系的な影響は感じられませんでした。経験豊かな観察者でさえも、様々な石のフローレッセンスの効果について一貫性のある見解は表明していません。
今回の調査結果は全体として、濃青色のダイヤモンドのテーブル面を上方向にして [台座に設置した際のように正しい面を上方に向けて] 見た場合にカラーの外観が改善され、テーブル面を下方[上下を通常の逆]にして見た場合は識別可能な傾向が見られないことを示すものでした。大半の観察者はフローレッセンスと透明度に関係性はないとしています。」
言い換えれば、平均的な観察者にとってフローレッセンスは特に影響を与えず、経験豊かな観察者(ダイヤモンド・グレーダーや専門業者)のフローレッセンスの影響に関する見解は様々でした。また従来の通説とは逆に、経験豊かな観察者と訓練を受けた観察者はほぼ一致して、強力なフローレッセンスを持つダイヤモンドのカラーが最も優れているという見解を示しました。
フローレッセンスに関する結論
ダイヤモンドを選ぶ際には極端にフローレッセンスを気にするべきではありません。
業界の専門家がフローレッセンスの影響について一致した見解を示さない一方でたえずその影響にこだわるとすれば、それはダイヤモンドを購入する一般の人々に情報を提供するというよりも、むしろ単に人々を困惑、混乱させるだけの些事の議論に陥ってしまうことにしかならないでしょう。
しかし、業界の論議と(根拠がないように見える)先入観によって、フローレッセンスを持つ無色または無色に近いダイヤモンドはこの特徴がないものよりわずかに価格が低く設定されていることがあります。私たちの見解としては、低価格のものを選ぶのが賢明だということになるでしょう。
もちろん、1つの投資としてダイヤモンドを購入し、後にそれを売却するつもりであれば、価格設定が妥当であるかどうかにかかわらず、フローレッセンスを持つダイヤモンドに対する業界の価格判断に注意する必要があるでしょう。
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紛争(コンフリクト)ダイヤモンド(時に血塗られたダイヤモンドとも呼ばれる)とは何か?
紛争ダイヤモンドは時に血塗られたダイヤモンドとも呼ばれ、反体制派、軍及びテロリスト・グループの違法かつ非合法の活動資金を捻出する目的で販売されるダイヤモンドを意味します。紛争ダイヤモンドの影響を最も強く受けた国々はシエラレオネ、アンゴラ、リビア及びコンゴ民主共和国で、これらはすべて、現地のダイヤモンド取引を牛耳っているグループによって市民に対するテロ行為や殺傷行為が行われている国です。
これら地域の大部分においては既に戦闘が終結しているか、または少なくともその激しさが収まりつつありますが、コートジボワール、西アフリカ及びリビアからの紛争ダイヤモンドは依然として非紛争(コンフリクト・フリー)ダイヤモンドという名称で取引の場に持ち込まれています。
合法的なダイヤモンド取引を行っている南アフリカ諸国は、既知の紛争地域からのこの血塗られたダイヤモンド販売を食い止めるため、2000年にすべての原石の起源を追跡する活動を開始しました。これらの国々の取り組みによって、世界から紛争ダイヤモンドを廃絶するためのキンバリー・プロセス認証制度(KPCS)が創設されました。
キンバリー・プロセスの目的
キンバリー・プロセスの目的は、この制度に参加する国々に入ってくるすべてのダイヤモンド原石を文書に記載し、その起源を追跡することにあり、輸送業者は不正開封防止措置が施された輸送ケースに石を詰め、それが紛争地域に由来するものでないことを証明する十分な詳細情報を明示することになっています。
KPCSはその参加国において十分に機能しているとは言えませんが、数十ヶ国の政府及び非政府機関の協力によって支えられている協定であることを考えれば、おそらく無理もないことでしょう。多くの国々はこのプログラムに取り組むことさえ行っていないのです。
KPCSがその目的を果たすまでには時間がかかるでしょうが、既に成し遂げられたことには大いに意義があります。これは自主規制プログラムであるため、血塗られたダイヤモンド取引を確実に停止させるか、または少なくともそれを極力抑制するためには、さらなる法的規制が必要でしょう。
血塗られたダイヤモンドの取引を停止させるために私たちができること
私たちは流通業者や消費者として、購入するダイヤモンドに関する詳細情報を要求することによって状況を変える力を持っています。ダイヤモンドが紛争ダイヤモンドでないことの証明を要求することは、テロリスト・グループに資金を送る手助けをするような業界や国を私たちは支持しないという強力なメッセージを世界に発信することになります。変化は一夜にして起こるものではありませんが、粘り強く続けていくことで変化は起こるでしょう。
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